産院から赤ちゃんが帰ってきた、どうすればいいの?

赤ちゃんをあつかう小児科医はお母さんが退院する前に赤ちゃんのための指導(母親教室とも呼ぶ)を行っています。その指導内容や質問についての回答などを紹介します

環境 栄養 おふろ  嘔吐 皮膚の黄染 お臍

環境について
1 室温 成人が快適な温度であれば赤ちゃんも快適と考えていただいて結構です。
      すなわち、夏は27度、冬は15度あれば十分とされています。
      部屋全体を温度コントロールするのがよく、
      エアコンも使って頂いて結構です。
      しかし、次のことに注意して下さい。
       a 冷気が床を這いますので、赤ちゃんの高さになって調節して下さい
       b 風があたることは避けて下さい(冷暖房の気流に注意)
       c 直射日光のあたる場所は避けて下さい(窓際はだめ)
       d ガス、石油ヒーターでは直接熱線や温風があたらないようにし、
         換気を十分にして下さい、(できれば電気が望ましい)
2 湿度  50%が望ましいとされています。加湿器や除湿器も使用していただいて
      結構ですが、カビや細菌が繁殖することがありこまめな清掃
      (特にフィルター)が重要です。
3 服装  母親と同じ枚数でいいです。
4 動物  アレルギーや事故のもとになるので、お勧めできません。
      (特に床上で飼っておられる場合)
      最小限、赤ちゃんと同室にはしないで下さい。 
5 たばこ 避けて下さい。

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栄養について
赤ちゃんにとっての理想的な栄養は母乳です。最低3ヵ月程度は母乳で頑張って欲しいというのが小児科医の願いです。母乳栄養確立のためには授乳回数が重要で、充分でてないからといって回数を減らしてはよけいにじり貧となります。最低1日に8回は授乳してみてください。
母乳がたりているか不安なお母さんへ
実際母乳が不足すると1回の授乳時間が20分以上と長くなり 体重増加不良がおこります、生後3ヵ月までは2週間につき500g程度増えるのが普通ですから、それを目安にして下さい。体重増加が不良な場合はミルクを追加してかまいませんが、必ず母乳を与えてからミルクを追加するようにしましょう。

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沐浴について
できれば、昼間の暖かい時間帯にいれてあげて下さい。湯冷ましはどうしても必要なものではありません。大人と一緒にお風呂にはいっていいのは生後1-2ヵ月頃からでお臍が完全に乾いてからとなります。 ”てんかふん”は、咳の原因になったりしますので、いまはあまり使用しません、ローションの方がいいでしょう。

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病気について
1 熱  
      36.5-37.5度は赤ちゃんの平熱です。
      37.5-38.0度では環境温度が高い場合があります。1枚薄着にしてみて
      下さい。それでも解熱しない時は38度以上の時に準じて下さい。
      38度以上は明らかに発熱ですので、次のことに注意が必要です。
       a 3ヵ月未満の赤ちゃんに普通の風邪は少ない。
       b 機嫌が悪い(ミルク飲んでくれない)ようならすぐ受診。
       C 機嫌が良くても次の日には必ず小児科受診。

2 嘔吐
      少量づつ口唇から吐くことはよくあることです。心配ありません。
      前に飛ばすようなものでも、嘔吐した後、顔色がよければ心配ありません。
      前へ飛ばすようなものが、日に3回以上も続くもの、
      嘔吐後ゼロゼロいったり顔色不良になる場合は小児科を受診して下さい。

3 皮膚の黄染
      赤ちゃんは生理的黄疸といって生後1週間は皮膚が黄色くなり、
      青色の光線を受けられたりします。これとは別に、退院後2-3週に再び
      黄疸が強くなることがありますが、ほとんど心配ありません。
      白目のところが黄色くなる程強い時や、便が白くなるときは必ず
      小児科を受診して下さい。

4 お臍
      お臍がじゅくじゅくしたり、出血することがあります。
      消毒を続ければ大抵よくなりますが、消毒液がない時や続く時は出産された
      産院か小児科に御相談下さい。 

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