夏の皮膚のトラブルについて
夏はいろいろな皮膚のトラブルが出現しがちです。今回は皮膚のトラブルについてお話しします。

とびひ(伝染性膿痂疹)
細菌が皮膚を引っ掻くことなどによって傷ができたところに繁殖しておこる水膨れです。夏に起こることが多い疾患です。一旦軽快したようにみえて手をゆるめると再発してきます。内服の抗生剤と塗る抗生剤を処方しますが近年抗生剤の効果が弱くなってきており、軽快しない場合は抗生剤を変えていくことが必要です。痒みが強いときには内服の痒み止めを処方します。手を介してとんでいくことが多いので手洗いをきっちりして、手を鼻腔にはもっていかない(鼻腔にはとびひの原因菌が沢山います)ようにしてください。プールは控えたほうがいいでしょう。

あせも(汗疹)
汗が皮膚のなかにに貯留してしまうためにでてくるブツブツのことをいい、汗の分泌が盛んな夏におこってきます。塗るお薬も処方しますが、重要なことは汗をかいている原因を排除することです、子供は体温が高いため親の感覚では厚着を強制していることがあります、クーラーも必要に応じて使用するようにしましょう。

水イボ(伝染性軟属種)
身体のあちこちにできる、小さく丸く盛り上がったできものです。痛みなどもなく、膿んだりしなければ特別悪さをせず、数年で自然治癒していきます。しかし直接接触すると他人に感染してしまうため(水を介してうつることはない)幼稚園や保育所ではプールの前に治療するように指導をうけることが多いようです。治療としては塗るお薬や漢方薬の内服などを行うこともありますが、最も確実な方法はピンセットでつまんで取ることです。(ニキビを潰すような要領)しかし痛みを伴うため、水イボの処置をする1〜2時間前に皮膚の麻酔のテープを貼っておくとよく、水イボ処置をご希望の方は事前に麻酔テープを取りにこられることをお勧めします。

おむつ皮膚炎
おむつの中は通常でも高温多湿になるため、夏場はより症状が悪化します。治療の基本はぬるま湯でよく洗っていただくことです。テンカフン(ベビーパウダー)も昔はよく使用していましたが、おむつかぶれを悪くしてしまう可能性があり、今は推奨されていません。病院では軟膏を中心に処方しますが、カビが関与している場合があり、長引く場合は医師と相談して下さい。

日焼け
日光浴は昔推奨されてきましたが今は推奨されていません。皮膚を焼くことによって皮膚ガンの発生確率が高くなるからです。また皮膚を焼くと傷の治りが悪くなり、奇麗に治らなくなりますので注意して下さい。

アトピー性皮膚炎
皮膚温度があがることによって痒みがまし、汗などで皮膚が汚れるためアトピー性皮膚炎などの慢性の皮膚疾患も夏場は悪化することが多く、スキンケアをより丁寧にする必要があります。

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