小児科境界領域


虫垂炎
いわゆる盲腸と言われる病気です、腹痛で発症することより小児科を受診されるかたも多いので今回は虫垂炎についてお話します

虫垂炎って簡単?
よく盲腸といわれますので、診断も簡単と思われがちですが、小児の場合、年齢が低くなる程、診断は困難になります、なぜなら症状も検査所見も年齢が低くなる程、成人程はっきりしなくなり、虫垂炎と区別しなくてはならない病気も多いためで、このことは小児科の医師だけでなく外科の先生にも言えることで、小児の病気の中でも判断の難しい病気のひとつとされています

症状は
腹痛、嘔吐、発熱が三兆候といわれていますが、小児の場合は必ずしも揃っていないこともあり、腹痛の部位も右下腹部痛とは限りません、一番の問題は冬に流行する おなかの風邪(急性腸炎)でも同様の症状がでることで、小児では腸炎の患者数が圧倒的に多いため判断しずらく、経過をみないと診断できない場合もあり、小児(年齢が低い程)では虫垂炎を疑えば入院の上経過観察することもあります、

検査は
レントゲンや血液検査が成人では有効ですが、小児では決定打にはなりません、超音波検査が有効なこともあります

治療は
小児の虫垂炎は判断が難しい上に悪化するスピードも早いといわれています、成人では抗生剤の点滴で散らすということもしますが小児では原則手術になります、しかし小児の緊急手術が可能な医療機関は限られているのが現状です

つまりどうするか
虫垂炎を強く疑った場合、小児科では小児の手術が可能な施設の外科(小児外科)に紹介し外科の先生の意見を聞くか、もしくは手術可能な小児科に経過観察のため入院していただくことになります(もちろん虫垂炎ではない場合もあるのですが)盲腸もみれんのか、とお叱りを受けることもあるのですが小児の虫垂炎は成人とは別物とご理解下さい

前ページへ