十二月はこんな月
十二月は一年間のなかで最も感染症が多くなる月なので今月号ではこの欄をメインにお話します

どんなものが流行するの?
十二月前半には感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)、水ぼうそう、溶連菌感染症が流行しやすく、後半にはいると、ロウイルス腸炎や早い年ではインフルエンザが流行します

個別の対応は?
急性胃腸炎(吐き下し、ロタウイルス腸炎を含む)
吐き下しは嘔吐が先に見られることが多く、その後下痢が出現します、熱はあっても長くは続きません
家庭内処置 吐気が強い場合は無理に水分を与えようとせず、2-3時間は様子をみて吐気が収まってきたら水分を少量ずつ(50ml程度)何回にもわけて与えて下さい、与える水分はスポーツ飲料やお茶がよく、食欲があっても固形物や甘いものは症状が悪化しますので与えないで下さい、病院では整腸剤や吐気止めの座薬を処方しますが嘔吐を続ける場合は点滴を行います
予防 吐き下しは感染力が強く大人にも感染します、手洗いをきっちりおこないましょう

水痘(みずぼうそう)
夏前とこの時期に流行します、感染力が強いため家族内発症が多くみられます、全身(特に頭や陰部)に水をもった赤い発疹がでます、熱はあまり高くありません
治療 水ぼうそう用の飲む薬と白い塗る薬、痒みが強い時は痒み止めを処方します
家庭内処置 ひっかいて水疱をつぶすと かた を残すだけでなく、膿んでくるのでかかないようにしましょう、全部の発疹が黒いカサブタになれば治ったことになります
予防 接触後72時間以内なら予防接種が有効(発症することもあるが軽くすむことが多い)とされています、御両親の発症も多く認めますので御注意下さい

溶連菌感染症
扁桃腺に膿みがついて熱がでます、体や手足に細かい赤いブツブツや舌にもブツブツを認めることがあります
処置 簡単な検査で診断できます、合併症や再発があるため2週間程度抗生剤を飲む必要があります

感染症においては予防が大切でうがいや手洗いをしっかりおこなうようにしましょう
この時期は小児科外来も混雑しがちで御迷惑をおかけしますが、御理解の程お願いいたします

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