夏かぜって?

夏に流行するカゼを総称して夏カゼと呼びます。夏カゼの代表格は、アデノウイルス感染症(プール熱を含む)、ヘルパンギーナや手足口病などです。今年はアデノウイルスとヘルパンギーナが流行しているので今回はそのお話をします。

アデノウイルス感染症とは?
アデノウイルスは数年前から外来で検査ができるようになったためよく耳にするようになりました。アデノウイルスはいろんな炎症を引き起こします。扁桃腺 炎、肺炎、リンパ節炎、結膜炎、腸炎、膀胱炎など多彩な症状を示します。このうちプール熱(咽頭結膜熱)とは咽頭炎(のどが赤くなる)と結膜炎(白目が赤くなる)が強いものをさします。
プール熱はプールが原因?
プールを介して流行したことがあるのでプール熱と言われるようになりましたが、現在はプールの水から感染することはむしろ少なく、普通の風邪と同様に唾 液などが咳やくしゃみなどで飛んで感染することが多いとされています。流行しているからといってプールをやめる必要はないでしょう。
診断は?
数年前から検査ができるようになっています。のどを綿棒で擦り付け十分ほどで検査結果がでます。
しかし、初期の段階では診断できない場合も多いうえに、アデノウイルスではインフルエンザと違い、特別の治療法もないため全員に検査するわけではありません。
治療は?
特別な治療法はなく高熱は続きますが(1週間近く続くことも多い)生命を左右するような合併症はほとんどないため熱が下がるまで辛抱強くまちましょう。 のどの痛みが強い時など水分の摂取が悪くなれば点滴を行うこともあるので熱が続く間は2日ごと程度に受診させて下さい。
出席停止なの?
プール熱は症状がなくなってからさらに2日間は出席停止となり、登校・登園には証明書が必要です。ただし、目が赤くならないアデノウイルス感染症では出 席停止とはならないため、証明書は必要ありません(学校や園によっても違う場合があるのでお確かめ下さい)

ヘルパンギーナとは?
高熱のうえ、のどの奥に小さな水ぶくれができる夏かぜです。検査があるわけではなく、診察所見で判断します。
治療は?
特別な治療法はありませんが、のどの痛みが強く、水分をとれなければ点滴で水分補給を助けます。
注意は?
最初はぷつぷつがのどの奥だけであったのに舌の前や歯ぐきにでてくることがあります。この場合ヘルペス(紛らわしい名前ですね)というヘルパンギーナと は違う種類の感染症の場合がありますので、口の前にぷつぷつがでてくれば再度受診させてあげて下さい。

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