予防接種週間ってなに。
3月1日から3月7日までは予防接種週間という聞きなられない週間が始まります。予防接種について知っていただく良い機会なので今回はこのことについてお話します。

予防接種とは
予防接種とはワクチンを接種して、免疫をつくることにより、病気に対する抵抗力をつけ、発病を予防したり、症状を軽くしたりする方法です。

予防接種の役割は
大きくわけて2つの役割があります。ひとつは個人を感染症からまもるというもので海外旅行にいかれる際に
予防接種していくもの(A型肝炎など)やインフルエンザワクチンなどを考えていただければ結構です。
もうひとつの役割は集団を感染からまもるというものです。昔、痘瘡 という感染力や症状も強い病気がありましたが、現在は全世界から撲滅されています。このとき全世界でほとんどの人が予防接種を受けたため痘瘡は撲滅され、そのおかげで現在の子どもたちは予防接種を受けていないにもかかわらず痘瘡には感染しません。つまり集団で予防接種を受ければ感染症自体が弱く少なくなっていくのです。アメリカでは、おたふく風邪や麻疹がほとんど発生しません。これはアメリカでは予防接種をほとんどの人が半強制的に接種しているからです。日本では最終的には保護者の方の判断で行われているのですが予防接種には集団に対しての責任もあることはご承知いただきたく思います。

この頃の日本では 
はしか、の感染が問題になります。20代から30代の大人(大学生)が感染し流行するというものです。去年に続き本年もすでに患者が多く報告されはじめました。これは、まず予防接種を受けていない人が感染するわけですが、その後、免疫が低い人、つまり予防接種しているにもかかわらず麻疹にかかる人がいるというです。個人的には二度接種することによって免疫を強くして感染を予防することができるのですが、集団的(日本国や世界的)に麻疹の流行を少なく、弱くするには接種率を高くしなければなりません。麻疹では全人口の95%が接種しなければ麻疹はなくならないと言われています。接種したにもかかわらずその病気になった、というのは接種しなかった人が多かったから、という言い方もできるのです。

予防接種週間の意義は
予防接種の接種率をあげ日本でも はしか を撲滅するにはどうしたらいいのでしょう。アメリカのように強制的(接種しなければ小学校に入学できない)に接種すべきでしょうか。日本では予防接種についての恐怖心がいまだ根強くあるように思います。まずは予防接種について広く知っていただくことが大切です(予防接種に拒否的なのは父親であったりします)、予防接種週間は予防接種を広く知っていただいた上で、接種率を上げていくことを目標に日本医師会と日本小児科医会が設定しました。週間では参加した医療機関で平日の夜間や土日に予防接種が可能となります。(当院では休日接種は毎週していることなのですが)日ごろ働いておられてなかなか予防接種に連れていけないお母さん、また兄弟が多くお父さんの休みでないと動けないご家族など、是非この機会に相談だけでもよいので予防接種について聞いてみてはいかがでしょうか。
(せっかくですからお父さんもつれていきましょう)

特に接種していただきたい方は
平成18年から就学前(幼稚園でいう年長児)に麻疹・風疹ワクチンを接種することになりました。今年小学校入学の方は過去に接種していても麻疹・風疹の混合ワクチンを接種しなければなりません。この1年以内に接種されていない方は必ず接種するようにしましょう。和歌山市では現在まで半数程度しか接種されていません。予防接種週間はよい機会ですが、それ以降でも3月31日までは公費で可能です。4月1日以降は自費での接種となりますので注意して下さい。


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