今年のインフルエンザウイルス感染症について
十二月中旬現在和歌山市ではインフルエンザ感染症が流行しはじめています。昨年に続いて早い時期での流行であり、以下のことに気をつけるようにして下さい。

現在の流行状況はどうですか。
和歌山県では十一月初旬ごろからインフルエンザ感染症が出現しはじめ十二月中旬現在和歌山県全体に広がっています。和歌山市でも市内全域で流行を認めています。流行は拡大傾向ですが冬休みに入ると毎年一旦落ち着くため今期も年内の流行は大きくなく年明け新学期が始まった後に大きな流行となりそうです。インフルエンザの型では現在はA型がほとんどですが昨年はほとんどB型が流行しなかったためB型が2月中旬頃から出始めるのではないか、と予想する医師もあり、今期は長期の注意が必要のようです。

流行状況を把握するにはどうしたらいいですか。
インフルエンザから身を守るには流行状況を把握することが大切です。地域の流行状況については左記のアドレスなどでインターネットから確認いただき、学校や幼稚園・保育所ではこまめに確かめるようにしましょう。
和歌山県感染症情報センター     http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031801

インフルエンザにかかったかな、と思ったらどうしたらいいですか。
インフルエンザかな、と思った場合、検査をすることによって十五分程度で確定診断をすることができます。ただ熱が出始めてから十二時間程度の時間が立たないと正確ではありません。もし熱以外の症状が強くないのであれば半日程度待ってから受診していただくほうが検査としては確実です。(つまり夜間に緊急に受診する必要はありません)熱以外の症状(咳や頭痛や嘔吐など)が強い場合は早めに受診してください。

治療はどうしたらいいですか。
インフルエンザの治療の主体はタミフルという内服薬ですが異常行動が指摘されており十歳以上ニ十歳未満の方には原則処方できません。十歳以上二十歳未満の方にはリレンザという吸い込むお薬が処方できますが、異常行動をおこさないという確証は残念ながらありません。インフルエンザは薬を内服しなくても合併症がなければ一週間前後で治るので副作用が心配な方は自然治癒を待ちましょう。

タミフルは内服しても大丈夫ですか。
タミフルを内服した後に異常行動(自殺を含む)をおこし死亡したという報告があります。しかしタミフルを
内服したから異常行動をおこし死亡したのか、内服していなかったら死亡しなかったのか、いまだにわかっていません。ただ調査してみるとタミフルを飲まなくてもインフルエンザに罹って異常行動をした人が軽い症状の人も含めると1割程度もあるようです。つまりタミフルを飲むにしろ、他のお薬にしろ、また飲まないで様子をみるにしろインフルエンザに罹ると異常行動はおこしうるので次のようなことに注意して下さい。
1 異常行動での死亡例は鍵があけれるような年令が高い子であるので、例えタミフルを飲んでいなくても
  この年令の行動には注意する。
2 興奮や異常な言動がある場合は内服を中止し医療機関を受診する。

合併症にはどんなものがありますか。
インフルエンザの合併症で危険なものは脳症と呼ばれるもので、異常行動や幻視、けいれんなどがみられます。保護者が理解できないような言動が続く場合(一時間が一応の目安)は医療機関に相談してください。また肺炎や中耳炎など細菌感染症を合併することがあります。

いつから登園・登校できますか。
熱が下がってもすぐには感染力が衰えないため熱が下がってから丸々2日間は登校・登園はできません。
なお、ほとんどの和歌山市の学校・幼稚園・保育所では許可書に医師の署名は必要ありません。

インフルエンザに罹ったけれど予防接種はどうしたらいいでしょうか。
現在流行しているのはA型ですが、このA型にはもう一つの型があり、またB型というものもあります。ワクチンにはすべての型が含まれており接種すれば他の型にかかりにくくする効果はあるものの、同一シーズンに他の型にかかる確率は過去の例からいうと多く見積もって十%程度です。接種するのかどうかは、それぞれの事情にてご判断下さい。なお罹ってから接種しても副作用が強くなるということはありません。

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