予防接種うけれるの?

基礎疾患がある児(持病があるお子さん)では予防接種が受けるにあたり、少々注意が必要です。代表的な基礎疾患について解説します。ただし、これは一般的に言われている方法であって別の意見を持たれる先生もおられます。大切なのは、基礎疾患の主治医の先生に予防接種を受けてよいか承諾を得ることと、接種される先生にそのことをお伝えいただくことです。そして、保護者の方が納得されて接種されることなのです。

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熱性痙攣の児

てんかんの児

低出生体重児

アレルギー児

腎疾患児

γ-グロブリン接種児(川崎病や重症感染児等)

輸血児

熱性痙攣の児

熱性痙攣を起こした児に対しては、原則として禁忌(絶対接種してはいけないということ)はありません。予防接種自体で痙攣が誘発されることはありませんが、予防接種に伴って熱がでることがあり、それで痙攣がでることがあるので注意が必要です。6ヶ月間は接種しないほうが良いといわれる先生もおられます。ただ、その間にその疾病にかかれば、もっと大変であろうということも事実です。痙攣の多発している方や熱の出やすい麻疹(はしか)、日本脳炎の予防接種は要注意ですが、それ以外で熱性痙攣と診断されていれば積極的に接種していいのではと思います。

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てんかんの児

てんかんの児では予防接種をどうするかは、てんかんを診てもらっている主治医の判断が優先されます。というのは、予防接種によるてんかんに対する危険性と予防接種の有用性を天秤にかけるからです。基本的には痙攣のコントロールがうまく行えており、特殊なお薬をのんでいない場合は接種可能とすることが多いです。

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低出生体重児(昔は未熟児と言っていた)

低出生体重のお子さんの多くはお母さんのおなかにいる期間が短く出生し、産院での入院期間も長く、退院した後も通院されることが多いと思います。予防接種なんて、とてもとてもと思われている保護者の方も多いでしょう。しかし、お母さんのおなかにいる期間が短ければ短い程、お母さんからもらう免疫は少なくなり、感染にかかりやすくなります。人工呼吸器をつけていた児ならなおさら呼吸器感染にかかりやすく、退院後落ち着けば予防接種は早めに考慮してあげて下さい。当院でのだいたいの目安は体重6kgですが、場合によってはもう少し早く接種することもあります。

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アレルギー児

アレルギーをお持ちのお子さんで予防接種が可能かどうかの判断は非常に難しいものがあります。
なぜなら、その人の感受性(アレルギーを起こしやすいか、起こしにくいか)をその場で厳密にはかる方法がないからです。一般論として下記に記載しますが、くれぐれも
主治医とよく相談の上で納得されて接種して下さい。

接種が絶対できない人
●ワクチンに含まれる成分で重篤な症状(ショック)を起こしたことのある人。
(ワクチンには卵、ゼラチン、抗生剤などの成分が含まれている)
●アレルギーの症状が強い時
(喘息発作のおこっている時、アトピー性皮膚炎増悪期、蕁麻疹出現時など)

接種に注意が必要な人
●アレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎など)
●卵アレルギーの児(インフルエンザ、麻疹、風疹、ムンプスの各ワクチンの成分に含まれる)
過去に卵アレルギーを指摘されていたり、血液検査で言われていても、実際卵を食べれてればほぼ可能。
●危険性が高い場合は皮内テスト(100倍希釈液にて)でのチェックか分割接種法も考慮される

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腎疾患児

腎疾患のお子さんでステロイド剤を飲んでいる人や他の免疫抑制剤を飲んでいる人は原則として中止している施設が多いと思います。しかし、近年は少量のステロイド内服なら可能であるとの研究やデータが出るようになってきました。(ステロイド内服中に感染症にかかると非常に重篤になる)現在、学会内で統一見解を出そうとしているとのこと。現時点では、プレドニン1mg/kg/日以下の内服で、腎疾患自体が落ち着いており、不活化ワクチンであれば接種いたします。一度ご相談下さい。

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γ-グロブリン注射児

γ-グロブリンは血液製剤の一種で川崎病、血小板減少症、重症感染症(敗血症)などの際に使用されます。このお薬は免疫力を高めるため予防接種を接種しても効果がなくなります。よって、このお薬を通常量使用されている方は3ヶ月間、川崎病の時などの大量使用時には6ヶ月間は予防接種できません。
ただし、近年一部の予防接種についてはこの限りではなく、ご相談下さい。

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輸血児

輸血を受けたお子さんの予防接種についてはあまり詳しい研究はされていません。接種基本的にγ-グロブリンと同じ扱いとなります。

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