予防接種の副反応について

医療者にとっても、患者さんにとっても副作用(副反応)のない薬は悲願ですが、なかなかそのような薬は作れません。つまり、副作用のない薬にしようとすると効かなくなってしまうのです。ワクチンもお薬ですから副作用はなくせませんが、その頻度は非常に低いものですし、自然感染すれば危険性は大変高くなります。「接種しとけばよかった」と「接種しなければよかった」では圧倒的に前者が多いことは事実なのです。

ここでは、保護者の方が最も気にされる予防接種の重い副反応と自然感染の危険性について対比して表にしておきます。一般的な副反応(処置が必要でないもの)については"予防接種の後に"を参照して下さい。

予防接種の重い副反応と自然感染
すべての予防接種で、アナフィラキシーという全身のアレルギー反応が認められることがあります。
5000人に1人ぐらいですが、予想はできません。

予防接種の種類

重い副反応

感染時の合併症
BCG(結核) 骨炎 100万人に1人以下 感染者が400人/年
ポリオ
(次も参照のこと)
四肢麻痺 300万人に1人程度 四肢麻痺 1000人に1人
三種混合 脳炎 1000万人に1人 ジフテリア 数名/年死亡
百日咳   数名/年死亡
破傷風   数十名/年死亡
麻疹 脳炎 100万人に1人 脳炎 1000人に1人
風疹 脳炎と心不全の報告が1例ずつあり 脳炎 5000人に1人
胎児感染
インフルエンザ ほとんどなし 脳症1998年度202人
おたふくかぜ 無菌性髄膜炎8000人に1人 無菌性髄膜炎100人に3-10人
難聴、無精子症
水痘 ほとんどなし 急性小脳失調 4000人に1人